神様・仏様・ご先祖様?!~安里のまちから学ぶ沖縄の信仰アレコレ~

logo_top.gif

HOME > 授業詳細 > 神様・仏様・ご先祖様?!

詳細

id0072_00.jpg【さんぽ学】banner_ico_appfin.gif
神様・仏様・ご先祖様?!~安里のまちから学ぶ沖縄の信仰アレコレ~
日時 :2013年1月19日(土) 10時30分~ 12時30分
教室 :安里の街
参加費 :無料
定員 :10名
※集合場所変更しています。ご注意ください。
旧:ゆいレールおもろまち駅
新:那覇メインプレイス前(ミスタードーナツ前の屋外)


新しい年を迎えました。初詣はお済みになりましたか?日本本土とは異なる歴史・文化を持つ沖縄、初詣をもう済ませた方も、まだという方も、ニライ大学と一緒に沖縄ならではの神社・仏閣を訪ねてみましょう。うちなーんちゅでも知らないコトはまだまだたくさんありそうです。この授業では、「安里」のまちを歩きながら、沖縄の宗教・信仰文化のいろいろと、「安里」という場所にまつわる歴史と文化を巡ります。

<授業の内容>

10:15 那覇メインプレイスのミスタードーナツ前(屋外) 集合
10:30 まちあるきスタート
     安里八幡宮~八幡神徳寺(真言宗)~金満宮~たから屋(塩せんべい屋さん)~崇元寺石門(臨済宗)。

12:15 感想発表
12:30 終了

集合場所(緑の矢印の場所です)

大きな地図で見る

ID:0072

レポート

 今年の冬は、沖縄では珍しく雲の無い快晴が幾度もある。幸運なことに、那覇市安里のまちを歩いたこの日もそうだった。

 スタートは、那覇新都心の中心施設・メインプレイス。那覇新都心は10年余り前まで米軍の住宅地だったが一気に開発が進み、人口40万近くの那覇市の中で一つの街ができ都市の重心が変わったぐらいの開発のインパクトがあった場所だ。その隣に安里がある。
 私は、安里で育った友人と一緒に参加した。友人からすると、自身の家が道路整備のため立ち退きになった事もあり、懐かしい風景は各所にあるものの相当変わった風景になってしまったようだ。昔と今、という変化も期待しながら安里を歩いた。

 コースの最初は琉球八社の一つ、安里八幡宮。琉球王国第六代国王 尚徳王の時代に、鬼界島征討に際し建てられたそうだ。琉球王 尚家の紋章である「左三つ巴」も各所に見られるので沖縄らしい伝統建築かと思っていたら、全国の八幡宮の瓦の紋章も一緒らしい。琉球王朝の始祖は源為朝だという伝説もあるが真実はどうなのか。歴史の不思議さも感じさせる建物だ。
 そんな由緒正しい神社の後ろには、棟上げし完成間近となった那覇新都心最高層のマンションがそびえ立っていた。開発と文化・自然の保存の間でせめぎ合う、今の沖縄の変化を象徴しているような場所だった。

 隣にある八幡神徳寺では、住職から寺の成り立ちなどについて少し話を伺った。
 由緒あるお寺だが安里八幡宮も含め沖縄戦で灰燼に帰してしまい、戦前のものがかろうじて残っているのは庭ぐらいだそうだ。年の初めから住職に香を手のひらに分けてもらい本尊である不動明王の前に正座した上でだったので、神妙な面持ちになった。日本庭園的なつくりの小さな庭を眺め、2分咲きの桜を愛でた時は、神妙な気持ちになった。

 次に金満宮へ。入り口から見える傾斜地に立った建物はあまりにみすぼらしかったのでなぜこれが神社かと思ったが見えたのは、社へ礼拝するための手前の建物だった。
 元々、金満御嶽としてずっと地元で崇められてきたそうだが、中国の道教の神である土皇帝も近くに祭られているなど宗教的にも風景的にも不思議な場所だった。こんな機会で無いと入ることもなかっただろう。社の後ろにはまたツインタワーが見えた。

 そんな寺社の間には、生き生きとした住宅街があり、うねった小道を歩いていると、綺麗な家や家の人が作ったオブジェに遭遇した。その先に塩せんべい屋「たから屋」もあった。昼が近かったこともあり、焼きたての塩煎餅を買ってほおばった。子どもの頃に行った駄菓子屋でよく食べたものだが、できたては適度なしっとり感が全然違ったおいしさだった。

 最後に訪れたのは崇元寺。私も子どもの頃から時々見ていた場所だ。名前はお寺だがもう寺の建物は無く、入り口のアーチ状の石造りの門と境内跡が残っている。入り口は印象的だったものの、中に入ったことが無かった私は、大きな大きなガジュマルに圧倒された。
 ここは、琉球王朝の第2尚氏の始祖 金丸に縁が深い場所だったらしい。第1尚氏の王統を簒奪したと言われても仕方が無い金丸の行動に正当性を与えるような地元の有力者がおり、そんな言い伝えも残されているそうだ。大きな温かい手のような長い枝をのばしたガジュマルの下で、心穏やかな心地になりながら歴史のドラマも思い描いた。

 歴史や沖縄の変化を考える上で、安里の界隈は貴重な場所だった。また四季折々を見て歩いてみたい。一足先に冬から春に代わったような息吹を感じた一日だった。

(参加者 仲間)

授業・レポート

過去の授業(レポート)

学科紹介

先生一覧

学級委員


ページの先頭へ